浮島の暮らし
インレー湖はミャンマーのほぼ中央部に位置する、シャン高原にある美しい湖だ。
周辺を山々に囲まれ、青く澄んだ水をたたえるこの湖には、数多くの浮島からなる十八の村がある。これらの浮島で暮らす人々はおよそ九万人もいるのだという。
浮島の上で、人々は野菜を栽培し、湖の魚を捕って暮らしている。
私は、浮島の間を行き交う小さなボートに乗り、水の上に浮かぶ村々を訪ねた。
そこで暮らす人々は、インダー族、ビルマ語で「湖の人」を意味する。彼らが水上に作る畑は、水草が根をはってできた浮島に草を乗せ、湖の泥で固めて作ったものだ。そんな畑で彼らは唐辛子、トマト、キャベツなどの様々な野菜を作り、収穫物は町に売りに行く。
インレー湖で暮らす人々にとって唯一の交通手段は舟だ。細長い舟の上に立ち、片足で櫓を漕ぎながら網を繰って魚を捕る。鮮やかな緑の美しい浮島の間を縫いながら舟を走らせる。その姿は何とも言えず優雅なものだ。ミャンマーの他の地域の唸るような暑さとはうって変わって、涼しい高原の気候はほっと気持ちを和ませる。静かな時間がひたすら漂う浮島の暮らし。
まるで幻想を見ているような錯覚にとらわれた。