サバンナに日が昇る。
大地と空の境い目が黄金色に輝き、太陽が次第に
顔を出しはじめると、夜の間に冷え切った空気が
一気に緩み出す。強い光が草原に満ち溢れる。
さあ、一日のはじまりだ。
アフリカのサバンナにはライオンをも恐れぬ勇者が住むという。
広い草原を自由自在に闊歩し、強さと美しさを競い合うサンブルの人々。
ある日、旅の途中で彼らの歓喜の宴に出くわした。戦士たちは青空に届けとばかりに高く垂直に飛び、女性たちはそれに応えて胸元のビーズの飾りを揺らしながら歌い踊る。赤土にヤギの油を混ぜたファンデーションが、激しい太陽の光を受けてぬめり輝く。歌声と掛け声は幾重にも重なり合ってサバンナに響き渡り、次第に興奮が高まっていく。私も踊りの輪に招き入れられた。彼らのように高く飛べもしないし、勇ましい掛け声を発することもできない私を、それでも彼らは笑顔で迎えてくれた。優しいんだな。なんだか嬉しくなった。ひとしきり踊って私も彼らも汗だくになった。ふぅ、と息をついてアカシアの木陰に入ると、ふわりと涼しい風が汗ばんだ頬を撫ぜた。
西の空が、そろそろ茜色に染まりはじめていた。