広いサバンナに、乾いた風が通り過ぎる。
立ち止まり、そっと耳を澄ますと聞こえてくる。
動物の嘶き、鳥の羽音、地鳴りのような大地の鼓動。
こんな力強い生命のざわめきを感じたくて、私の足は
幾度もアフリカへと向かっていくのだ。
大都会ナイロビを一歩出ると、時間は違う流れ方をしているようだ。
街を離れた村々では、人の話し方や歩くスピードまで違っている。
家畜を放牧させ、畑を耕す。太陽が昇り沈んでいく、そのリズムに身を任せて、ゆったりと静かな1日が過ぎていく。電気のない夜、灯油ランプを囲んで家族が集い、その日一日が無事過ぎた感謝を唱える。
村人たちと質素な食卓を共にするとき、私の胸の中は不思議な幸福感でいっぱいになる。明日もまた、家族みんなが健康でありますように。お腹を満たすに十分な食料が得られますように。祈りとは、こんなにシンプルで、自然なものだったのか。深い安らぎと共に眠りにつく。
朝はきっと、にぎやかなニワトリの鳴き声で目覚めることだろう。