インドの北西部、ラージャスターン州には広大な砂漠が広がっている。
日中の暑さは並大抵ではない。四十度は軽く超えているだろうか。
強烈な日差しが容赦なく照りつけ、乾ききった大地をラクダがゆっくりと歩いていく。彩りの少ない砂漠では、人々はより色鮮やかにその身を飾るという。
ラージャスターンの人々も、目のさめるような原色のサリーを着こなし、ありったけのアクセサリーを身につけて、その姿は砂漠の太陽の下でより美しく輝く。 あまりの暑さに喘ぎつつラージャスターンの村々を歩いていると、声を掛けられ家の中に招き入れられることがよくあった。そんなとき、私たちの前にまずは一杯の水が差し出された。井戸から汲みたての一杯の水。こんな暑さの中では何よりのもてなしだ。ぐっと一息に飲み干すと、身体の隅々にまで水分が行き渡るような気がした。
心優しき砂漠の人々のまごころがこもった、ほのかに甘い水だった。