聖なる流れ、母なるガンガー。
ガンジス河はガンガーと呼ばれ、河そのものが神格化され崇められている。
ヒマ―ラヤから平原を抜け、ベンガル湾に流れ込むこの河は、人間の喜びも悲しみも愚かさも尊さも、生きとし生けるものの全てを大きく包み込み、悠々と流れる。
ガンガーの聖なる水で沐浴すれば、全ての罪は浄められるという。河縁では遺体が焼かれ、その灰は輪廻からの解脱への祈りを込めてガンガーに流される。途方もない長い年月の、人々の祈りが込められたガンガーの水。そっと足を浸してみると、河の底の細かい砂が暖かく私の足を包んだ。地球のいのちの大きな輪の中にいる自分を感じた。
ガンガーの岸辺には、世俗を捨て身心を神に捧げた聖人、サードゥーが静かに瞑想し、祈りを唱えている。一切の物を持たず、聖地から聖地に巡礼していく。
人々はサードゥーに敬意を払い、人々からの施しを受けサードゥーは存在する。そんなサードゥーが見せてくれた笑顔は嬉しかった。人間はみんな、結局は同じなんだと笑顔の力が信じさせてくれる。いろんな人生があるけれど、還って行くところはひとつしかない。
ガンガーに沈む夕日を眺めながら、世界の全ての人々のしあわせを祈った。